年に一度、クレジットカードの年会費の請求メールが届く朝があります。私はその朝、楽天プレミアムカードを解約しました。

正直に言うと、決め手は「年会費が高いから」ではありませんでした。ポイントを貯めること自体が、いつのまにか目的になっていた。それに気づいたからです。

数年持った年会費11,000円のカードを手放すまでに、何があったのか。ポイ活との距離感に、同じようなモヤモヤを感じている方に向けて書きます。

楽天プレミアムカードを数年使って解約するまでの話と、そこで学んだ「ポイ活との付き合い方」です。ポイントを貯めるのが楽しくて、つい余計な買い物が増えている——そんな自覚がある方に届けばと思っています。

入り口は「プライオリティパス」だった

楽天プレミアムを作ったのは、2019年ごろです。きっかけは、海外に友人ができたことでした。

研修で知り合ったタイ人と仲良くなり、一緒に東南アジアを旅行する機会が増えていました。海外の空港でも快適に過ごしたい。そう思って調べて行き着いたのが、プライオリティパスという空港ラウンジの特典です。これが付いてくるのが、このカードに決めた決め手でした。

プライオリティパスは、世界中の空港ラウンジに入れるサービスです。単体で会員になると年会費が 5万円以上 かかりますが、楽天プレミアムなら年会費11,000円に含まれていました。楽天市場のポイント上乗せも魅力でしたが、本命はこのラウンジです。

実際に使えたのは、コロナ前のほんの短い期間でした。それでも、ちょっと贅沢な体験ができたのは覚えています。マレーシア(クアラルンプール)の空港で入ったラウンジ——たしか Plaza Premium Lounge です。記憶は曖昧ですが、カレーや麺料理をつまみ、ビール片手に出発を待つ時間は、当時の私には小さな贅沢でした。

年5万円以上のサービスが、年会費11,000円で使える。差し引き4万円分はお得。だから持つ価値がある——この計算が、何年も「持ち続ける理由」になっていました。

海外に行けなくなって、メイン特典が宙に浮いた

転機の前段は、2020年からの数年です。海外旅行に行けなくなりました。

本命だったプライオリティパスは、使われないまま。それでも年会費11,000円は、毎年きっちり引き落とされていきます。

それでも私は、しばらく解約しませんでした。「また行けるようになれば使えばいい。そもそも5万円超のサービスが1万円で持てるんだから、お得なはず」。そう思い込んでいたからです。

気づけば「ポイントのため」に買い物していた

もうひとつ、心の奥で引っかかっていたことがあります。楽天市場の使い方です。

楽天プレミアムは楽天市場のポイント倍率が高い。だから私は、よく楽天市場で買い物をしていました。ここまでは普通です。問題は、「ポイントが貯まるから」という理由で、本当は要らないものまで買うようになっていたことです。気づけば、買い物の動機が「欲しいから」ではなく「ポイントのため」に変わっていました。

拍車をかけたのが、ポイントの期限です。楽天のSPUで上乗せされる期間限定ポイントは、付与のおよそ2か月後に失効します。せっかく貯めたのに期限切れで消えるのはもったいない。だからまた、期限内に使おうとして、また余計なものを買う。

これはもう、ポイ活が目的になって、お金の使い方が振り回されている状態でした。お得なはずのポイントのために、必要のない支出を増やしている。完全に本末転倒です。(これ自体が楽天市場の戦略なのでしょうが、まんまとはまっていました・・・)

ポイントを貯めるのが快感になると、「貯めること」自体が目的になります。期限を切らさないために使い、倍率の高い店で買い——いつのまにか、生活をポイントに合わせていました。お得を追っているつもりで、出ていくお金はむしろ増えていたんです。

倍率も下がって、「もういっか」

そんな折に、改悪のニュースが重なります。

SNSで見たのが、プライオリティパスの利用回数を2025年1月以降は年5回までに制限する、という話です。ただ、これは正直「潮時かな」くらいでした。どうせ最近は使えていません。

それより効いたのは、頼みの楽天市場のポイント倍率まで下げられたことです。ラウンジは宙に浮き、ポイントの妙味も薄れ、しかもそのポイントに振り回されている自分がいる。ある朝、すっと「もう無料カードでいいや」と思えました。

手続きは、ためらいもなくあっさり終わりました。正確には、年会費無料の楽天カード(一般)への切り替えです。終わったあとは、むしろすっきりしました。

ひとつだけ誤算だったのは、無料カードに変えるとカード番号が変わったことです。メインで使っていたので、あちこちの引き落としを変更して回るのは地味に面倒でした(ダウングレードを考えている人は、頭の片隅に置いておくといいかもしれません)。

ポイ活は「手段」で、目的じゃない

解約して一番よかったのは、年会費が減ったことより、ポイントに振り回されなくなったことでした。

ここで誤解してほしくないのですが、ポイ活そのものを否定したいわけではありません。本当に必要なものを買うときにポイントが乗るなら、それは素直にお得です。まずいのは、ポイントを貯めること自体が目的になって、要らないものまで買ってしまうこと。お得を追っているつもりで、かえってお金が出ていく。ここだけは、よく考えて付き合う必要があります。

この反省から、私はお金の重心を三井住友の経済圏に移しました。いまはVポイントを「ウェル活」で使っています。やり方はシンプルです。

  • 必要な日用品を、思いついたらメモにためておく
  • 毎月20日(ウェルシアでポイントが1.5倍で使える日)に、メモにあるものだけまとめ買いする

「ポイントのために買う」のではなく、「買うものは先に決まっていて、ポイントはそこに乗るだけ」。この順番にするだけで、余計なものを買わない仕組みになります。ポイントを主役にすると生活がポイントに合わせて歪みますが、おまけの位置に戻すと、同じポイ活でもお金の出方がまるで変わりました。

さいごに

楽天プレミアムを解約した日のことは、今でもよく覚えています。手放したのはカード1枚ですが、軽くなった感覚は、それより少し大きかった気がします。

年会費もポイ活も、判断の軸はひとつだと思っています。「自分の生活に本当に必要か」を先に置くこと。お得は、その後についてくるおまけくらいがちょうどいいです。

ここまでは「気持ちの話」でした。「で、実際に年会費の元は取れるの?」という損得は、別の記事で楽天市場の利用額別に数字で検証しています。数字でハッキリ確かめたい方は、あわせてどうぞ。

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